歌織の独り言 〜最終章〜

23 May 2003



大好きな海、大好きな空、大好きな深緑、大好きな空気、大好きな食べ物(笑)、そして大好きなバリの人々、、、
歌織がバリ島に初めて来た時に思った全てが1年半バリに住んだ今でも大好きだ。
 
 思えば3年前に初めて旅行でバリに来た時からすっかりバリマジックにかかってしまった歌織。
何がそんなにいいんだろう・・・?って思っても、「ん〜何となく?」(笑)何ていい加減な感じではあるが、
それ位の言葉でしか言い表せないのがバリなんじゃないかって思う。何をしてても、いつも自然でいられる。
自分が無理をしてない、無理をしようとしない、思った事がとても素直に表現できるし、
色んな事が素直に受け止められるんだよね。この島は。
 
 この1年半、最近になって気付いたけど、かなり現地の中に溶け込んでディープな生活をしていたんだなって思った。
まぁ友達ほとんどがインドネシア人ですからね、何をするでもトライの気持ちを忘れずに色んな所に行ったり
色んな体験をさせてもらったかな?村の自治体に入り込んで村民と地べたに座りながら飲んでみたり、
ブンブンと蝿がたかりまくっているのも気にせず現地の人と手づかみでご飯を食べてみたり、
バリのお供え物の内職を一緒にしてみたり、泥だらけになりながら池の掃除をしてみたり(笑)、ね。
言い出したらきりがないけど、これ、多分日本だったら体験できない事だと思う。
別にこんな経験って思うかもしれないけど、この一つ一つから歌織は色んな事を学ばせてもらったし、
時には感動したし、時には神聖な気持ちになったし、時には泣きそうになったし。(笑)
 
 ここで学んだ事・・・
それは「冷蔵庫を開けてもビールはなかった」(笑)と言う事。ってゆうか冷蔵庫自体まだ一般家庭に普及してないけどね。
何でこんな例えかって言うと、昔まだ日本にいた頃に何だかその日はすごい疲れてて、
家に帰って冷たいビール!!!って頭の中はそれだけで帰宅したんだけど、
いざ冷蔵庫を開けてみたらビールがないっ!!!!あるけど冷えてないっ!!!ってな事ですごい勢いで
「ママ〜〜!!!何でビールがないのよぉぉっ!!!」って、
今考えたらこの娘、何を考えてるんだかって感じだけど、そんな事がありまして。
そしてバリに来て始めは冷蔵庫もなく、冷たいビールどころか冷たい飲み物も飲めず、
そして念願の冷蔵庫を買った後でも、ビールを冷やしてくれる人はもちろんいない、
ましてや貧乏歌織は時々ビールを買えずに泣いた日もありました・・・。
日本では毎日当たり前のように飲んでいたビール。ビール1本でこっちでは3食食べれます。
だからビールは現地の人にとってとても高価なものなんです。
こうして歌織はバリ島で「我慢」と言う意味を知りました。と、言うか「我慢せざるを得ない」と言う状況も知りました。
だから今は仕事が終わった後にビールを飲んだ瞬間、「あぁ〜ありがとう神様!!メッチャうまいです。」と、心から叫んでいます。
 
 そして歌織が最も大切だと思った事。。。
それは「どこに行っても何をしてても全ての人に同じ時間が流れている」と言うことを「自分で理解できた」事。
日本にいたってバリにいたってどこにいたって、人はご飯を食べ、仕事をし、毎日の生活を送っている。
そりゃ人それぞれ時間の流れの感じ方は違うかもしれないけど、
1日24時間、これは全ての人に平等な時間が流れているわけで、
これを自分で毎日どう思い、どう考え、どう感じるかで全く違う世界が広がるんだって思った。
日本にいた時は忙しさのせいにしてたけど、それは違う。
誰のせいでもない、何のせいでもない、どこにいたって全ては自分次第と言う事。
これを知っているか知っていないか、理解できているかそうでないかで全く人生の楽しみ方が違ってしまう。
これを気付かせてくれたバリ島に、そしてその他色んな事を考えさせれてくれたバリ島に、本当に感謝している。
こうやって素直に、格好つけず、考えてそれが受け止められる環境ってすごく素敵だなって思う。
だってバリ人がみんなそうなんだから。逆に見栄を張ったり偽ったりしている人ってバリ人はいないもんね。
「そんな事して何になるの?」って逆に問いただされちゃいますから。
みんな、とても人間らしいです。本当に人間の基本的な事、それを知っています。みんな本当に「素」なんです。
日本の常識なんて通用しません。特に日本人が大好きな社交辞令なんてもってのほかですしね。
 
 でも、何でこう文化が違っても、住んでいてとても温かいものを感じるのは何でだろうか?
それは人がとっても温かいから。
そう、日本語で言うと「人情」、何か江戸っ子みたいだけど、バリの人達もそうなんです。
「義理人情」って面では日本人と似ています。
遠い外国で外人が住むと言う事は、やっぱり常に緊張している面があるけど、
そう言うのをバリの人たちは肌で感じてくれ、現地の人と同じように接してくれる。
どこを歩いていても「歌織〜。元気?どこへ行くの〜?」と、必ず話しかけてくれる。
そして病気の時はわが家族のように心配して見舞ってくれる。「困った時はお互い様よ〜」って、
「あ、日本と同じだな」って安心させてくれるんだよね。
「バリは昔の日本のようだ」って年配の日本人が良く言うけど、
きっとそんな所に安らぎを求めて来ている人もいるのかもしれないな、、、
 
 歌織は今まで日本人と言う事を意識した事はなかったけど、初めて海外に住んでみて、色んな国の人と話し、
そして外から日本って国を見ることができて、私は日本に産まれて、そして日本人で良かったと思う。
日本人ってすごくいい国民じゃないって誇りに思う。
別にどっかの一派とかそういう意味じゃなくて、自然とそうやって思えるようになった。
色んな国の人に「日本ってこんな国なのよ・・・」って語るようになった。
そして海外に出てみて初めて日本人って言う自覚ができた。
これはバリとは関係ないけど、自分の国に誇りを持てる事は素晴らしい事だと思うから・・・。
 
 最後に、改めて、バリに来て良かった!!!!!!!!!!
そして、歌織に色んな経験を与えてくれたバリ島、自然との調和をとても大事にし、
いつも神に感謝をしているバリの人々に、心から感謝をしています。
もう少しでこの島を離れるけど、未だに全く実感が湧かない、「どうせいつかまた来るから・・・」と、思わせてしまうこの島。
いつまでたっても変わらないと信じてる。
本当にありがとう。そして、さようなら。
 
 Terima kasih tuhan...dan sampai jumpa lagi... 



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